こんにちは、朝ドラみ隊です。
なるほど。昨日の考察でも少し触れましたが、信念ある言葉には行動が必要です。
確かに寅子のそばにはそういう人がいましたね。うんうん
【虎に翼】第11週5話あらすじ
家庭裁判所の設立期限まであと1ヶ月を切った12/1。
寅子の頼みを聞き受けて、少年少女保護連盟が会議の場へとやってきました。
直明はキラキラした目で壇と浦野に語り掛けます。
(直明)お二人とも、見ている方向は一緒ということですね。
お二人の所属する組織が手を取り合えば、より多くの子供を救うことができます。
大人の事情があるのだとは思いますが、それを取っ払い手を取り合えるのは本当に素敵なことです!
最初は苦笑いで話を聞いていた会議の面々も、青年が純粋に未来を願う姿に心動かされました。
寅子たちがどれだけ説得しても駄目だった障害を取り除いたのは、まさに純度の高い正論。
会議が終了し、準備室のメンバーだけになったあと、汐見は言います。
(汐見)彼らも、きっかけが必要だっただけだよ。……折れるきっかけ。
それが、前途有望な若者たちの説得だったということだよ
しかし寅子はどうにも釈然としませんでした。
家庭裁判所設立期限まであと10日
最大の問題を解決したとしても、まだまだ問題は山積みです。
地方では人員も建物も足りず、都心の方では庁舎を立てる土地がない。
期限まで残り10日ほど。さすがの寅子たちも弱音を漏らしてしまいます。
そんな彼らに喝を入れるのはやはり多岐川。
その後寅子は、諦めずに交渉していたサロンの宴会場を借りることに成功したのでした。
花岡とチョコレート
12/31、大晦日。
家庭裁判所となる宴会場は、設立に向けて大忙し。
はるや花江、直明や少年少女保護連盟の関係者も集まり、大急ぎで準備をしています。
優未も机を拭くなどのお手伝いができるまでに成長していました。
そして子供が寝静まった深夜。
『最後の仕上げ』と言って、多岐川が布に包まれた何かを持ってきます。
稲垣と小橋の2人がかりで飾られたそれは、1枚の絵画でした。
「人間、生きてこそ」
描かれているのは、大人の手と子供2人分の手。チョコを分け合っているその風景に、寅子は思い当たるものがありました。
多岐川はその場にいた皆に言い聞かせます。
(多岐川)人間、生きてこそだ。
国や法手。人が定めたもんはあっという間にひっくり返る。
ひっくり返るもんのために死んじゃあならんのだ。
……法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。人が幸せになるためにあるんだよ。
幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。
彼がどんなに立派だろうが、法を司る我々は彼の死を非難して怒り続けねばならん。
……その戒めに、この絵を飾るんだ。
多岐川が語り終わると同時に、除夜の鐘が鳴り始めました。
こうして不可能だと思われていた年明けまでの家庭裁判所設立は、なんとかその形を成したのです。
多岐川が逃げ出した過去
その後小さな宴会があり、多岐川が酒瓶を抱えて寝潰れたころ。
汐見は静かに、多岐川の過去を話し始めます。
(汐見)多岐川さんはね、自身が死刑判決を下した死刑囚の処刑を見に行ったことがあるんだって。
……その日以来、怖くなったんだって。
その後、多岐川は二度と凶悪事件を受け持ちませんでした。
(汐見)彼の言葉を借りれば、”逃げた”んだ。
そして多岐川は朝鮮に渡り、戦後なんとか日本に戻ってきます。
その時に上野で彼を出迎えたのは戦争孤児でした。
無言で手を差し出す少年たち。多岐川は自らも手を開き、何も持っていないことを無言で伝えます。
一斉に多岐川の元を離れる子供たちを見て、多岐川は決意しました。
(汐見)『子供たちを幸せにしたい。そのためにもう死んでも逃げない。
彼らのために、残りの人生を全てささげよう。未来に種まく仕事をしよう。』
そして、その協力を汐見と香子に頼んだのです。
「この光景を、どうしても君たちと見たかった」
多岐川さんの過去を聞いて、静まり返る準備室。
酒瓶を抱いたままの多岐川は、そんなことなどお構いなしに寝言を放ちます。
(多岐川)……つまり、愛だ。
くすくすと笑いに包まれる室内。
そのまま夜は明け、バラック小屋の看板が桂場によって外されます。
早朝、スーツ姿の多岐川に起こされた寅子、稲垣、小橋は、汐見と合流して宴会場へ赴きました。
汐見は宴会場の案内の上に紙を貼り付けます。
【東京家庭裁判所】。
(多岐川)この光景を、どうしても君たちと一緒に見たかったんだ
昭和21年1月1日。家庭裁判所が生まれて、初めての朝でした。
あまりにも綺麗にまとまったお話に感動
綺麗にまとまりすぎて驚きました。いい話じゃないか。
ただ1点気になった寅子の「はて?」顔について考察します。
あの顔をした理由は何故問題が想定外に上手くいったのか考えているとかでしょうか。
私は、今回の直明くんの純度の高い正論は旧裁判所両名の「そろそろ落としどころを見つけたい」という内心を後押しさせる強い力があったということだと思います。
壇も浦野も、現場では本当に苦労していて、少しでも多くの人を救いたいと思っていました。しかし、話し合いの場では、立場やメンツを気にしてしまう。
そこで直明たちの『純度の高い正論』が鍵となりました。
「今、そして将来の子供たちのためにも意地を張り合っている場合ではない」
救いたい対象に「立場を越えて手を取り合えるのは素敵なこと」なんて言われたら、そう思ってしまうのも無理ないのではないでしょうか。
今回の説得成功は前途有望な若者という、壇と浦野に有利な武器を使った側面もあると思います。
寅子はこれから、それらの武器なしで道を開拓していかなければなりません。
そこで来週の戦争孤児がメインの話に移っていくのではないかと。
ここで寅子の認識をガラリと変える出来事があって、心から行動したいと思える理由を見つけられるのではないでしょうか!?
多岐川さんの言葉に胸打たれたネットの反応
純度の高い正論って理論固めのことじゃなくて『これをはねのけられるほどの悪意を俺達は持てない』と思わせるくらいの子供のキラキラした理想のことだったのか!