こんにちは、朝ドラみ隊です。
あの腕飾りにはどんな意味があったのでしょうか……
【虎に翼】第17週3話あらすじ
玉の口から語られた涼子の苦難。玉は涼子のために、涼子のそばから離れる手助けを寅子に頼む。
その問いに答えを出せないある日、美佐江に手渡された「特別な人に渡す」腕飾り。
後日開かれた証人尋問にて、被告人の元木が同じ腕飾りをつけているのを目にした寅子は……!?
戦時中、涼子の身に起きた悲劇
(玉)奥様は長いこと療養されておりましたが、戦時中にお亡くなりに……
1942年。
長く療養生活を続けていた涼子の母は、血を絶やさぬようにと言って亡くなりました。
それからすぐ、大空襲が東京を襲います。
僅かな使用人たちと火の海を逃げ回った涼子たちでしたが、その過程で多くの人が亡くなりました。
それでも這う這うの体で生き残った戦後、改正された憲法を見て、涼子は言います。
(玉)「華族制度が廃止されて、国民が平等になるということは、国は華族の特権を全て奪うということ…… この家は、終わる」
法律の道を捨ててまで涼子が選んだ道は、国によってあっけなく絶たれてしまったのでした。
「もう帰る場所はない」新たに歩き出した涼子様
それから3年後の、1948年。
(玉)お嬢様、ここは?
(涼子)別荘を売って残ったお金でここを買いました
旦那がそんな勝手を許すはずがない、と怯える玉に、涼子は言いました。
(涼子)もう帰る場所はなくってよ、私たち
この時、玉は初めて、涼子と旦那が離婚していることを知ったのです。
「私がいなくなれば、お嬢様は自由になれる」
自身の障害者手帳を見せながら、玉は寅子に頼み込みます。
(玉)新潟市内に、私のような人に治療や職業訓練をしながら生活を支援する更生指導所というところがあるそうです……。私がそういった施設に入れるように、お力添えいただけませんか?
指導所は憲法改正の際新しく制定された身体障害者福祉法に基づいて建てられた施設でした。
涼子と玉は、憲法改正による光と闇を同時に味わっているのです。
(玉)私がいなくなれば、お嬢様は自由になれる…………
身分からもお母様からも解放されたのに、これじゃああんまりです……
その言葉は、誰よりも近くで涼子を見てきた玉だからこそ言える、痛いくらいに切実なものでした。
美佐江にとって特別な人にだけ渡す、赤と橙の腕飾り
数日後、三条支部を森口親子が訪ねてきました。
(森口)先日は娘がてぇへんお世話になったそうで…… これから話し相手になってやってくだせえ
手土産を渡そうとぐいぐい来る森口。
困り顔の寅子に、美佐江は助け船を出すように声をかけます。
(美佐江)先生、手を出してくれますか?
美佐江が寅子の腕につけたのは、赤と橙のビーズで作られた、可愛らしい腕飾りでした。
(美佐江)先生は、私の特別です
主犯格の「あの子」の正体
困惑する寅子に、高瀬が「長官から電話だ」と伝えました。
なんと、水上と元木の件で6人の少年が「自分が窃盗の犯人だ」と自首してきたというのです。
早速証人尋問を執り行う寅子。
(元木)仲間なんて、いね
水上の件に関しても、「悪いことをしたのだから盗られても自業自得」と主張します。
(寅子)つまりあなたは、正義感から犯罪を行ったということ?
寅子の腕にチラリと覗く、赤い腕飾り。それを見た元木は、悪びれもせずに言いました。
(元木)あの子をすっきりさせたくて
あの子の正体を尋ねる寅子に、元木は腕を見せつけます。
そこには、寅子と同じ、赤い腕飾りがきらめいていました。
腕輪を引きちぎった美佐江
数日後、元木に執行猶予3年の判決が下ります。
寅子の胸には『あの子』のことを追及できなかったしこりが残ったまま。
そんな寅子の元を尋ねたのは、赤の腕飾りをくれた美佐江でした。
(美佐江)先生、仕事中にごめんなさい。少しだけ志望大学について相談させていただきたいのですが……
これはチャンスと、寅子は腕飾りについて探りを入れます。
美佐江はのらりくらり追及を躱す美佐江。
(寅子)美佐江さんの言う特別ってどういうことなのかしら? 例えば、あなたのために何か……
核心に触れられると思ってか、美佐江は腕飾りを引きちぎり、言います。
(美佐江)ごめんなさい、用事を思い出したので今日は帰りますね

華族ではなくなるということの重み
涼子様が口にした「華族の特権を奪う」ということ。
桜川家は男爵だと作中で言及がありましたので、それを前提に考えていきます。
華族の財産は以下のものがありました。
- 広大な敷地と屋敷
- 貴族院への参加
- 別荘
- 国に回収されない財産の設定
- 進学面での優遇
- 宮中への参拝、皇族との結婚資格 (Wikipediaより)
桜川の屋敷は(恐らく)大空襲で燃え、財産を失った。
そうなると、使用人に支払わなければならない給料も払えていない可能性が高い。(借金発言より)
明確な収入源だった貴族院の廃止。何より、特権階級でなくなるという事実。
涼子様は、家と母のために自分の夢を捨てた女性です。
必死に守ろうとした家は燃え、本来なら助けが欲しいくらいの窮地で華族の廃止が決定した。
(涼子)華族制度が廃止されて、国民が平等になるということは、国は華族の特権を全て奪うということ…… この家は、終わる
その心境を考えるだけで、胸が張り裂けそうです。
ですが、それでも涼子さまは再び歩き出した。
自ら店を開き、自分たちの力で生活していくことを決めたのです。
その道の隣に立つのは寅子なのか、玉ちゃんなのか、あるいは別の誰かなのか……。
明日以降の放送を、見守っていきたいと思います。
華族制度崩壊について、分かりやすいショート動画を発見しました!
皆さんもぜひご覧ください👇
ネットの反応
望まない結婚をしてまで涼子さまが守りたかったのは、家ではなくそこで働く使用人たちだった。だからこそ、どんな時でもそばにいてくれた玉ちゃんを守りたいと思っているはず