こんにちは、朝ドラみ隊です。
【虎に翼】第26週2話あらすじ
一部の若手裁判官にのみ告げられた、左遷としか思えない異動内示。実行者は桂場だった。
『司法の独立を守り、法の秩序で作られた平等な社会』を桂場は諦めてしまったのか。
一方、全く進展がない美位子の事件。書類を受け取りに来た航一に、よねは美位子が受けた傷の深さを語る――
自然な更生を望むのは無責任なことなのか
今日も今日とて仕事に励む寅子。しかしその頭の中は朋一のことで埋め尽くされています。
心ここにあらずといった寅子のもとへ、1つの書類が届けられました。
(音羽)先日補導された少年の調査記録をお渡ししても?
補導歴のない少年。たまり場での喧嘩中に補導された少年は、少年院送致が妥当だという音羽。
少年は過去、窃盗や恐喝に手を染め、両親は共に遠方にいる。
事実を列挙したのち、音羽は淡々と自らの考えを伝えます。
(音羽)不処分にして彼の更生を信じるのは無責任です
首を縦に振ることはできない寅子。
音羽は「決めるのは裁判官」と言いますが、彼女の目は隠された本音を雄弁に語っていました。
穂高イズムはどうなったのか
夕方、桂場のもとを訪れた寅子。
入室して早々、寅子は桂場に本題をぶつけます。
(寅子)勉強会を行っていた若手裁判官たちに、異例ともいえる異動の内示が出ています
(桂場)俺が全て指示した
桂場は司法の独立のために、裁判官同士の団結や連帯は邪魔になると判断しました。
寅子はその考えに納得することができず、すぐさま反論します。
(寅子)純度の低い正論は響きません。政治家の顔色を見て、未来ある若者を見せしめにして…… 石を穿つ雨垂れにもせず切り捨てたということですよね? 汚い足で踏み入られないために、桂場さんは長官として巌となったんじゃないんですか?
穂高先生が亡くなったあの日、寅子たちが語り合った穂高イズム。
今の桂場には、誰の言葉も響きません。
(桂場)以後、二度と用もないのに訪ねてくるな
(寅子)分かりました。 ……どうぞ、お元気で
桂場の葛藤の具現化
寅子が出ていったあと、桂場の脳内で多岐川がしゃべりだします。
(多岐川)裁判所全体にどんよ~りした空気が流れてるぞ?
桂場の脳内の多岐川は、正論を語ります。
少年事件だけ目の敵にされるのは、桂場が家庭裁判所の地位向上を図らなかったから。
強権的な人事に反対する、志高い裁判官たちが次々辞めていっている事実。
(多岐川)お前の掲げている司法の独立っちゅうのは……随分さみしく、お粗末だな
隣に腰かける多岐川に怒鳴りつける桂場。
そこで桂場は我に返り、自分が部屋に一人だったことを思い出すのでした。
現場の人間が一番分かっている
月に一回行われる法制審議会・少年法部会でのこと。
(寅子)少年法の対象年齢を引き下げた場合に、18歳、19歳の子たちに対する調査は行われないということですか?
(豊谷)調査、調査と仰いますが、家裁調査官がそれについていっているかどうかは……
しかし、愛をもって少年たちに接するためには、事前の入念な調査と信頼関係を築くことは不可欠。
寅子が言葉を尽くす中、隣の席にいた久藤が援護をしてくれます。
(久藤)はて、やっぱり僕には分からないな。弁護士や裁判所側との意見調整もせず、少年法改正を急ぐ意味が……
(豊谷)まず法が変わり、現場がそこにあわせて形にしていく強引さが時に社会構造を作り上げていく。家庭裁判所設立に関わった皆さんが一番分かっていることじゃないですか
豊谷の言葉は確かに正論でした。
しかし、久藤はさらりと反論します。
(久藤)あの時むちゃをしてでも家裁設立のために戦えたのは、家裁の仕事が少年たちにできるベストだと 現場にいた僕らが、心から、そう信じていたからだよ
失ったものの大きさ
法制審議会後、笹竹にて久藤・汐見・寅子の3人は休憩をとっていました。
(久藤)ああいう時はね、頭にタッキーを思い浮かべるんだよ
そうすれば、頭の中の多岐川が自分の代わりに怒ってくれる。
「愛が足りない!」と物申してくれる。
今まで何度もその光景を見てきた寅子たちは、思わず吹き出してしまいます。
しかし本来なら相手の胸倉に掴みかかるであろう多岐川は、もうここにはいないのです。
(久藤)会いたいね、タッキーに
(寅子)ええ
激動の春
(朋一)本日付けで東京家庭裁判所少年部判事として着任しました 星 朋一です。
(平光)分からないことは何でも聞いてくださいね
昭和46年・春。
朋一が家庭裁判所へと異動してきました。
一見情熱に燃えているように見える朋一ですが、その胸の内は寅子には見えないままです。
一方、美位子の裁判は未だ上告が認められるか否かの段階。
そんなある日、航一はがよねたちの事務所を訪ねてきました。
むごたらしく、ありふれた悲劇
調査官として、書類を受け取りに来た航一。
彼が美位子の不在を確認すると同時に、よねは静かに話し始めました。
(よね)……斧ヶ岳美位子は幼い頃から暴力を受けてきました
事件の概要を語るよねを制止する轟。航一はよねに話を続けるよう促します。
幼い娘が1人、父親の虐待に耐えてきたこと。思考を奪う暴力の恐ろしさ。
ようやくつかみかけた幸せ。美位子を置いて早々に逃げ出した元恋人。そして殺人。
(よね)おぞましく、人の所業とは思えない事件だが……ありふれた悲劇だ
美位子が負った傷は、今なお彼女を苦しめていることを伝えるよね。
航一はよねの言葉を最後まで聞き、「お会いできてよかった」とだけ言い残し、事務所を後にしました。

山田 よね という女性の人生
美位子さんが出てきてから、時折出てくる燈台のマスターとよねさんの回想。
よねさんは先に家を出た姉のつてで上野にやってきたことが明かされています。
さらに、昨日の放送で過去のよねさんはこんなことを口にしていました。
私、女やめる。だからここにいたい。雑用でもなんでもする。人一倍働く。だから、お願いします!
この言葉、少しおかしいところがあるように感じます。
カフェー燈台は女性が男性をもてなすお店であり、「女をやめる」人が働く場所としては少し違和感があります。
単にマスターが(若いどころか幼い)よねさんに向かって、女の子が働くような店ではないと言っただけかもしれません。それに対して、男として、雑用として働きたいと返した可能性は十分考えられます。
ですが今日の放送での、よねさんの言葉。
(美位子の事件は)おぞましく、人の所業とは思えない事件だが、決して珍しい話じゃない
珍しい話でないと言い切れるのは何故でしょうか?
1つ目の理由として考えられるのは、燈台で働いていた人の中に似た境遇を持つ人がいたことです。そしてもう1つ。予想に過ぎませんが、よねさんは実家で美位子さんと同じような目に合っていたのではないでしょうか?
母親の代わりを求められること。暴力を振るわれ続けるとどうなるのか。未来が奪われる感覚。
いずれも、身に覚えのあるものなのかもしれません。
よねさんの言葉が航一さんにどんな影響をもたらすのか、明日が楽しみです。
さて、多岐川さんの理想「愛をもって子供たちを救う」という理念は、今日のこども支援にも引き継がれています。
その1つがこちらのサイト。
施設に預けるのではなく、里親が愛を注ぐ重要性を訴えかけています。
多岐川さんの背中を見てきた一視聴者として、胸に来るものがあります。ぜひご覧ください!
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ネットの反応
桂場さんの「黙れ!」は寅子ではなくイマジナリー多岐川さんに対してだった。でも本当は自分に対して怒鳴っている。穏健な方法を取りたいが、それでは司法の独立は保てない。辛い。