こんにちは、朝ドラみ隊です。
航一さん、もしかして感情表現が下手なだけ……?
【虎に翼】第14週2話あらすじ
「なるほど」としか口にしない航一。ようやく顔を見せた星長官から、2人の過去を聞いた寅子。
大好きな法律と仕事抜きで向き合える時間は学生時代のようで、寅子は寝食を忘れて没頭。
ようやく完成した星長官の本。そこには驚くべきサプライズが仕込まれていた……
「なるほど」気まずい作業時間
改稿作業、3日目。
一度も顔を見せない星長官の代わりに作業に励む寅子と航一。
普段は全く言葉を交わさない作業時間ですが、今日は少し違いました。
(航一)……なるほど
(寅子)……! ど、どうでしょうか……
(航一)いいですね、ここ
(寅子)あ……ありがとうございます
寅子が記述した部分を、航一は気に入ってくれたようでした。
星長官、息子の結婚相手募集中
寅子がほっとしていると、部屋に星長官が訪れます。
(航一)佐田さん、作業しながらいつも父さんを褒めちぎってくれてるよ
星長官は素晴らしい人。しかし寅子の認識は間違っていると、長官は言います。
(星長官)私が長官になる前、裁判官の職を離れていたのはね。弁護士の方が断然稼げたからなんだよ
始めは、病に伏せる妻のため。しかし妻が亡くなっても、長官はしばらく弁護士で居続けました。
(星長官)結局、信念より金をとったわけで……
(航一)百合さんたちを待たせているんでしょ?
長官は、妻・百合を待たせていることを思い出し、帰り支度を整えます。
去り際、長官は寅子に何気なく問いかけました。
(星長官)そうだ、佐田君の知り合いで、息子に合いそうなご婦人はいらっしゃらないかね?
寅子にとって息抜きでもある法律。寂しそうな優未
聞けば、航一も星長官と同じく、戦時中に病で妻を亡くしているそう。
(航一)父の言うこと、真に受けないでくださいね
(寅子)ええ、分かっています
そんなこともありつつ、改稿作業は着実に前へ進んでいました。
仕事を抜きにして、法律と向き合える。
この時間は寅子に学生時代の楽しさを思い出させてくれました。
おかげで外でも家でも作業しっぱなし。
窓の外から優未が寂しそうな顔で見ていても、気づくことはありませんでした。
寅子、優三の夢を叶える
ある日の昼。寅子は家事部と少年部合同の交流昼食会を開催することを提案しました。
ところが昼食の場には誰も来ず、怒り心頭。それでも、夕方の待ち合わせを思えば、仕事を乗り越えられるのでした。
夕方。
(航一)すみません。せっかく来ていただいたのに。序文は自分で書きたいと……
竹もとで待ち合わせをする寅子と航一。改稿作業はあらかた完成し、あとは長官が書いている序文を待つのみでした。
(航一)最後の確認をしておきましょう
(寅子)はい……んっ?
寅子の目に留まったのは表紙の装丁部分。『補修』として、寅子の名があったのです。
お手伝いのつもりが、いつの間にか本の執筆に携わっていた寅子。
(寅子)……夫が言ってたんです。『いつか法律の本を出すのが夢だ』って…………。
代わりに夢を叶えたことにしちゃおうかしら
(航一)…………なるほど
その「なるほど」は、いつものものよりも随分感情が分かりやすい「なるほど」でした。
出涸らしだからこそ、できる事
(航一)そんな風に喜んでもらえるならば、父も出涸らし冥利につきます
出涸らしとは、何度も煎じて味や香りの薄くなった茶やコーヒーを指す言葉です。
航一は、長官と共に、穂高先生を最高裁判事に誘ったときのことを語り始めました。
(星長官)もう十分に頑張りつくした。時代も変わった。役目を終えた……。いわば出涸らしだ。でもね、出涸らしだからこそ、若いやつらに残せることがあるんじゃないかい?
寅子はまだ自身が出涸らしであるとは思っていません。
しかし、女子部入学、戦争、初の女性判事補と、彼女も様々な体験をしてきました。
(寅子)その時の自分にしか出来ない役目みたいなものは……確かにあるのかもしれないわ
しみじみと感慨に耽る寅子たちの元に、ようやく星長官が姿を現します。
その手には、完成したての序文が携えられていました。
序文
今次の戦争で日本は破れ、国の立て直しを迫られ、民法も改正されました。
私たちの現実の生活より、進んだところのものを取り入れて規定していますから、これが国民に馴染むまで、相当の工夫や努力と時間を要するでしょう。
人が作ったものです。古くなるでしょう。間違いもあるでしょう。
私は、子の民法が早く国民に馴染み、新しく、正しいものに変わっていくことを望みます。
民法は世間、万人知らねばならぬ法律であります。
決して法律家にのみ託しておいて差し支えない法律ではありません
私のこの拙著がいささかにても、諸君の民法に対する注意と興味とを喚起するよすがとなることをえましたならば、まことに存外の幸せであります。
星長官は、本の出版前に亡くなりました。
彼が闘病生活を送っていたことは、穂高先生や桂場など、ごく一部のことしか知らない事実です。
後日、喪服に身を包んだ寅子は、優三との写真の前にそっと本を置きました。

『日常生活と民法』無料で読める! ぜひ読んで!
恥ずかしながら今日の放送で初めて、民法は国民のための法律なのだということを実感させられました。民法制定時から考えると、現代社会では様々な想定外の問題が出てきていますが、これらも自分事として考えなければならないのですね……。
星長官のモデルとなった方三淵忠彦さんは、史実でも何冊もの著書を発表しているようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B7%B5%E5%BF%A0%E5%BD%A6#:~:text=%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82-,%E8%91%97%E6%9B%B8,-%5B%E7%B7%A8%E9%9B%86%5D(Wikipedia_三淵忠彦_著書の項目にジャンプします)
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最初の1文「教養に年齢の制限はない。」から引き込まれてしまいます!
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