
日本一止めて蹴るが上手い選手、と聞いて誰が思いつくだろうか。多くの人は小野伸二と答え、遠藤保仁、あるいは柿谷曜一朗なんて声も上がるかもしれない。しかし、とあるレジェンド選手から「馬場憂太」という意外な声があがった。
天才を支えた三菱養和SSでの指導。
馬場憂太。FC東京生え抜きのプロ第一号選手であり、FC東京では6シーズンで107試合の出場をはたしている、怪我に泣かされたものの、その「天才」と称された豊かな感性やつきぬけた技術はどう磨かれたのか。
馬場憂太は少なくとも、かつて同世代の長谷部誠よりもはるかに高く評価されていた。そんな彼が語る日本一のサッカースクールは、彼が通った三菱養和SSだという。小学校時代は自由な環境で監督もコーチも怒らない。それぞれが自分の道を目指していくという環境の中で、自分は自分の目指したい方向に能力を伸ばせたのだという。また、ブログでも自ら止めて蹴るの重要さ、笑顔でサッカーを楽しむことが何よりも大切であると説いている。
メンタルの弱い日本人選手を育成するために。
そして彼は、日本にはメンタルを教えられる指導者がいないという。たとえばジダンにアドバイスを請ければ選手は反発しない。それを実践することで、子供に素直にコーチの声に耳を傾ける機会を自然に与えるという。ほんのりジダンにも技術なら負けないよ、というような矜持も感じさせられる。
ちなみに、「止めて蹴るなら日本一」と彼を評したのは15年以上のプロ生活を誇るレジェンド、塩田仁史。馬場は、今でも自らが経営するルピナスサッカースクールで実際に指導にあたり、サッカーボーイズたちにその技術をいかんなく披露しているという。
Pre-match Words ~大宮アルディージャ・塩田仁史編~(2016年4月1日掲載)