久保建英にスペインも震撼!レアル・マドリー×マジョルカ。古巣相手に「やってのけた」一戦をユニークレビュー。

マドリー久保 久保建英

レアル・マドリーにタケフサ・クボが帰ってきた(ただし敵として)!

ということでマドリーのサポーターにもいわくつきのこのゲーム。

しょうもないパスミスから失点を繰り返すこのところのマジョルカだから、試合内容はおおむね予想はできる。日本人ならずとも見どころはタケフサ・クボしかないようなゲーム。ここまでフォーカスされる若手日本人選手というのはもちろん希少なタレントで、彼が活躍すれば日本の人々は元気になる。そういう域の選手になってきたということだろう。

いつもの両チーム。久保は輝きを放ち続ける。

キックオフ。さっそくマジョルカはゴール前で「プレゼントのようなプレー」。せめてバルセロナ戦よりは「保って」欲しいと願っていたらマドリーも緩慢なプレーでゴールを逃す。

このあたりの雰囲気はしかしいつものマドリーらしい感じ。「この相手に最初から飛ばしてもしょうがないだろ?」。王者ならではの緩慢プレー。マドリーはそれが許される希少でほぼ唯一のクラブであると言っていい。

4分、久保がドリブルからPA右奥へノールック気味のスルーパス。マジョルカの数少ない「頼みの綱」であるダニ・ロドリゲスが中に折り返すもマドリーは難なくブロック。もし受け手が久保だったらもう少し効果的な攻撃になったかもしれない。

6分、PAエリア内で信じられないほどルーズな指からベンゼマの華麗なシュート。GKレイナが好セーブ。さらに「帰ってきた」ベイルが強烈なミドル。今朝のレイナは大変そうである。グッドモーニング、レイナ。

9分、久保の絡みからババがミドルシュート。強烈。クルトワさすがの好セーブ。12分、久保がポストの落としからシュートするもブロック。13分、ヴァランが雑なクリアがFWの顔面を直撃。15分、まるで練習試合のようなマドリーのカウンター。ヴィシニウス、チャンスをフイにする。が、18分ヴィシニウス今度は練習試合のように決める。らしくない決定力?

20分、久保は華麗なタッチでメンディのファウルを誘う。自ら直接狙うがシュートはゴールマウスの上へ。無回転を狙ったような雰囲気。このところFKを蹴らせては貰えるが、とても名手といえる結果を残せていない久保。いやまだ蹴らせてもらえることを喜ぶべき? 本人は自分の課題をよくわかっているだろう。

マジョルカがチープな攻撃とスイートな守備で睡魔を誘う。久保がボールに絡むと文字通り目が覚める。久保、右サイドのウイングから左の2トップにポジションチェンジ。「ほぼ一列目」といったポジショニング。チームの指示だろうがさすがにやりづらそう。30分前後で自主的に?右FWに居場所を変える。35分ベイルの守備、上手ではない!

46分左サイドで久保。SラモスからCKを奪い取って前半終了。

FC東京時代を思わせるロングスルーパス。そしてビッグプレー!

マジョルカは覇気もなく、チームワークもなく、まるで悪い時のマンチェスターの試合を見るみたい。レアル・マドリーはいつもの感じ。1-0。

後半開始。50分、普通なら後ろに戻すところを久保、あえて2対1を選択して広大なスペースにスルーパス。まるでFC東京在籍時のようなプレー! その後もほぼ決定的なスルーパス。しかしチームメートはドリブルがままならない。

54分、S・ラモスのFK。PAエリア外からベイルを差し置いてキック。今だけジュニーノ・ペルナンプカーノ!とんでもない落差の縦落ちFKで見事ゴラッソ。2-0。気を良くしたマドリーはまるでバルサのようにパスを回し始める。

58分、1試合に3回くらい成功するダゴ・ジュニオールのドリブルからブディミル。60分、マジョルカ一気の3枚代え。コロナ・ルールがあるとはいえ、この時間帯に3枚代え……? 試合は見本市の様相を呈する。

そして61分おそらく久保の生涯ベストプレーの一つに数えられるであろうマジックドリブル。クロースをターンで引きはがし、マドリーのキャプテンをドリブルで翻弄。個人技で白い巨人の中央を突破する選手はそうそういない。久保、その後もクロースの股の穴を堂々と狙うがこれは惜しくも達成ならず。66分、久保vsヴィシニウスのドッグ・ファイトにマドリスタはさぞほくそ笑んだだことだろう

久保が目指すべき次のチームは……

正直に言うと、今のマジョルカを監督ごと日本に持ってきたら、J2でも苦戦することだろう。対してマドリーが日本に来たら圧倒的に圧倒する。この2チームにはそれほどの差がある。やはりマドリーはただ待ってカウンターを仕掛ければ勝てる相手だった。

久保はそのドリブルを世界に打電した。あえて狭いスペースで勝負してしまえるところも久保の商品価値を跳ね上げた。決定的なサイドチェンジのパスをハンドしてしまう味方に意を介さず黙々とプレーする様子も好感度を上げたことだろう。

このチームでやり残したことはもう、ほとんどない。あるとすれば、ゴールの数とフリーキック。では次のチームはどこがいいのか? パスが足元にちゃんと来て、若い選手が育つ文化のあるチーム……。久保がスペインでのキャリアを望むのなら、それはもうひとつのレアルなのかもしれない。しかし僕たちは例えば香川や南野のキャリアを思い浮かべる

マジョルカは15歳のルカ・ロメロを投入し、世界的なニュースを提供して試合終了。マジョルカの見本市はあとちょっとだけ続くんじゃ

(新井一二三)

久保のプレーを世界が打電!関連動画は次のページから。

 

(アイキャッチ画像はhttps://www.realmadrid.com/より)

 

 

 

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