こんにちは、朝ドラみ隊です。
「わかりません」は初めての登場ですね! 何を言うのかとても楽しみです
【虎に翼】第26週5話あらすじ
美位子の事件の調査が、桂場の心をざわつかせ、航一の心を燃え上がらせる。
航一が怒りのあまり鼻血を出したことをきっかけに、寅子と桂場は対話。
少しずつ上手く回り始めた寅子の周囲。そこへ舞い込む美佐江の訃報。寅子は今一度、絶望の底に落とされる――
尊属殺人は受理できない。
桂場の部屋を訪れ、机の上に報告書を置く航一。
(航一)こちらに 目を通していただけないでしょうか
報告書の表紙には『尊属殺人』の文字が刻まれています。
(航一)尊属殺の重罰規定が違憲かどうか、大法廷でいま一度判断を迫る時ではないでしょうか?
しかし桂場はページをめくることもしません。
(桂場)尊属殺を扱うのは時期尚早だ。分かるだろう?
航一はいつものように「なるほど」と言い、長官室のドアノブに手をかけます。
しかし彼はそこで、開きかけたドアを閉めるのでした。
(桂場)……なんだ
(航一)いや、やっぱりわかりません
足早に桂場の元へ戻る航一。机に報告書を勢いよく置き、彼は言います。
(航一)時期尚早とは、つまりどういうことでしょうか?
航一、怒りのあまり気を失う
尊属殺人という法を議論するには、世の中が荒れすぎている。
こんな状態で、冷静に議論できるはずもない。だから時期尚早なのだと桂場は言います。
(桂場)人は間違える。だから法がある。だから法について考える際に万全な時を選ぶ。
(航一)反発は来るかもしれない。でもたとえどんな結果になろうとも判決文は残る
これまでにないほどの強い語気で航一は語り続けます。
(航一)ただ何もせず人権蹂躙から目をそらすことの何が司法の独立ですか!!
力説する航一を睨む桂場。しかし、桂場の表情は次第に驚きへと変わっていきます。
航一の鼻から流れる赤い血。
何か言う間もなく、航一はその場で意識を失ってしまいました。
航一 on 桂場の膝の上
桂場の部下から連絡を受け、長官室に入室した寅子。
(寅子)…………はて?
床に正座する桂場。その膝の上には、鼻にティッシュを詰めた航一が寝かされています。
騒ぎになったら面倒だからと、桂場が手当てをしてくれたようです。
寅子はにこりと笑い、礼を言い、気絶中の航一に声をかけます。
(寅子)航一さん
(航一)……寅子さん…………。……えっ! 長官!?
(桂場)落ち着け。また血が噴き出すぞ
桂場の言葉を聞きつつ、寅子の手を借りて立ち上がる航一。
寅子は次に桂場へと手を伸ばしますが、桂場はこれを遠まわしに拒否します。
(桂場)君は夫のことだけ心配したまえ
その頑ななな態度にピンと閃いた寅子。引き下がらず、航一にも協力を仰ぎます。
(寅子)いいから、掴まってください
(航一)大丈夫ですか?
(桂場)あっ……ちょっ、うっ、動くな……
どうやら、足の痺れが解けるまで桂場は立てそうにありませんでした。
再び宿る、若き日の情熱
桂場の足が痺れたおかげで、なんとなく緩んだ室内の緊張。
これを機に、寅子は再度桂場と向き合います。
(寅子)桂場さんは若き判事たちに取り返しのつかない大きな傷を残しました。きっと一生許されない
そして桂場に傷つけられ、憎みたくなったのは自分も同じだと言います。
黙って寅子の言葉を聞く桂場。寅子は桂場に、優しい笑顔を向けました。
(寅子)私が邪魔で、面倒で、距離を置きたくても、司法の独立のために……共に最後まで戦い続けるしかないんですよ
(桂場)……何を君は。ガキのような青臭いことを……
それは桂場がとうの昔に諦めてしまったことでもあります。
しかし寅子は最近、桂場の姿を見る事で、初めて法律を知った頃の本当の自分を取り戻した感覚を味わっていました。
(寅子)いや……でも、どの私も私…… つまり、全部含めてずっと私なのか
なんにせよ、桂場のおかげであることに変わりはない。
寅子の横で航一は密かにやきもちを焼きますが、その意味までは寅子は気づいていない様子。
その後桂場の足の痺れも取れ、航一たちが部屋を出ていこうとした時のこと。
(桂場)……置いていけ
桂場の視線の先には、尊属殺人の調査書。
航一は顔を緩め、寅子と共に部屋を出ていきました。
まだまだ余生にはほど遠い
寅子と航一が家に帰ると、リビングでは子供たちが宴会をしていました。
(優未)すんごいお肉買っちゃった! 朋一お兄ちゃんのおごり~!
(朋一)ああ、この肉でぜ~んぶ乗り越える!!
(航一)……よし! とっておきのワイン、全部開けてしまおう!
(のどか)やった~~!!
そうして楽しい宴会の後、航一と寅子は2人で穏やかな時間を楽しんでいます。
(航一)長官の膝の上で目が覚めた時から、心が軽くなった気がします 一区切りついたような……
(寅子)区切り?
(航一)あの戦争の……でしょうか。いやでも、そう思っていいのかも、正直分かりません……
寅子は航一と共に、ゆっくり、彼の心が軽くなるのを待つと言います。
(寅子)子供が巣立っても、まだまだ余生には出来なさそうね
(航一)……ですね
美佐江の母、佐江子
昭和47年、4月。
美位子の事件の上告が決まったニュースが新聞に掲載されます。
昭和25年の大法廷から実に20年ぶりの大法廷。皆が皆、決意を固めていた頃。家庭裁判所にて。
(音羽)並木美雪さんのおばあ様です
寅子の元へ、美雪の祖母がやってきました。審判中、ずっと美雪のそばにいた女性です。
寅子が何かを言う前に、女性は自己紹介をします。
(佐江子)私 森口美佐江の母です
寅子の顔から血の気が引いていきます。
(佐江子)あの時は、娘を助けてくださろうとしたのに
(寅子)いえ、私は…… あの、今、美佐江さんは……
(佐江子)美佐江は死にました
美佐江の葛藤
(佐江子)美佐江は死にました。美雪が3歳になってすぐの頃、車に轢かれて
そう言いながら、佐江子は美佐江の忘れ形見である手帳を差し出します。
恐る恐る1ページ目を開くと、そこには書きなぐったような文字が書かれていました。
美雪 愛してあげられなくて ごめんね
それから白紙のページが続き、寅子はしおり代わりに何かが挟まれたページに辿り着きます。
そこに挟まれていたのは、あのミサンガについていた、赤いビーズの飾りでした。
私は確かに特別だった。
私が望めばすべてが手に入った。すべてが思い通りになった。
けど東京で 私はただの女に過ぎず 掌で転がすはずが知らぬ間に転がされていた。
次々に沸く予期せぬことに翻弄された。
私の中にかろうじて残る『特別な私』が消えぬうちに、消えるしかない
寅子は静かに次のページをめくります。
あの人を拒まなければ 何か変わったのか?
あの人は私を 特別にしてくれたのだろうか?

桂場さんと寅子、それぞれの心情変化を考察!
もうウワーッッという感じの内容でしたね。少なくとも15分に食らっていい密度ではないと思う。
今回は映像で描写された場面の裏や人物の心境を考察していきます。
冒頭、桂場さんに本音をぶつけることを決意した航一さん。
この時、航一さんの言葉を聞く桂場さんの表情がとても印象的でした。
恐らく桂場さん、『正しさ』を貫く航一さんに過去の自分を見ていたのではないでしょうか。
自分が『理想だ』として諦めたことを、必死に説得してくる相手がいる。しかも今までそんな素振りもなかった人が。悩んでいるうちに航一は倒れてしまいましたが、冷静に考える時間にもなったので結果オーライでしょうか。
ところで桂場さん、足が完全に痺れるまで膝の上に乗せてくれていたんですね……。ソファーに寝かすなんかでもよさそうなのに……そういうところが桂場さんらしいというか……。
もう1つが、寅子の「今までの私も、全部私」発言。
この問題は航一さんとの関係が恋人なのか、夫婦なのかの際に持ち上がった問題です。
当時の寅子は「どれかを選べば他が消える」という考えで、想像上の『星 寅子』も、社会的地位のことをメインに、寅子に姓を変えるよう迫っていました。(詳しくはこちらのリンクから!)

この問題の解決の糸口が桂場さんとのやり取りにあったということは、非常に喜ばしいです。
一時は桂場さんと完全に敵対するかと思っていたので、こうやって関係が続いてくれてほっとしています。
さて、来週は遂に最終週。タイトルは『虎に翼』!
当サイトもバリバリ更新していきますので、是非覗きに来てくださいね!
そしてこちらは、当時、尊属殺人が違憲となった裁判に関わっていた方のインタビュー記事です。
美位子さん、よねさん・轟くんがどんな思いで戦ってきたのか。
思いを馳せながら読んで、来週を楽しみにしたいと思います!

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ネットの反応
寅子はこの後悔をどう落とし前つけるのか。怒り慣れていない人が怒るとどうなるかの模範解答のような航一さんには癒された