こんにちは、朝ドラみ隊です。
久藤さんの名づけがあさイチを浸食していく……
【虎に翼】第10週2話あらすじ
寅子が配属されたのは、戦前の民法の改正を執り行う部署でした。
寅子の担当範囲は民法親族編及び相続編。憲法の改正により、夫婦は婚姻に関して同等の権利を持つ事が可能になります。
寅子が目を通していたのは民法788条。
夫婦関係が成立した際、原則妻は夫の苗字を名乗ること。しかし妻が反対すればこの限りではない。
寅子が思案していると、久藤が声をかけてきます。
「どう? 随分変わったでしょ」
寅子の心にしこりを残す”謙虚”と言う言葉
「どう? 随分と変わったでしょう。前の民法と」
新民法では、家制度・戸主・家督相続などが軒並み廃止され、婚姻や相続の面でも女性の地位向上が図られていると久藤は言います。
寅子もこれに同意し、新憲法の示す法の下の平等を実感したと返しました。しかし。
「サディ、君思ったより謙虚なんだね」「心からそう思う? 新民法に対する不満はゼロ?」
寅子にとって、非常に答えにくい質問です。
結婚を気に、弁護士を続けられない状況に追い込まれてしまったこと。悔しい思いをしながら、仕事道具を閉まったこと。
今、家の稼ぎ頭である寅子は、あの時のようにヘマをするわけにはいかないのですから。
自分の意見を交えつつ、あくまで波風を立てないように寅子は答えます。
「いっぺんに変わらなくとも、少しずつでも前進していくのが大切かと」
久藤は寅子を見つめながら言うのでした。
「なんで?」
今の女性の気持ちを無視することが、果たして女性解放なのか
久藤は新民法の氏に関する項目を取り上げました。
先程寅子が見ていた草案は、一見新憲法に則ったものに見えます。しかし、GHQはそれを突き返してきたのです。
「女性が結婚を気に相手側の家に隷属する形になっているのはよろしくない」
つまり結婚の際、夫の苗字が優先されること自体が生温いと言ったのでした。しかし、GHQの意見に対して久藤はこう反論します。
「夫に先立たれた妻は婚姻関係がなくなるため、夫の苗字を名乗ることができなくなる」
これには寅子も思わず動揺してしまいました。
寅子も花江も、はるだって、夫に先立たれ、それでも変えたくないからと夫の苗字を名乗っているのです。久藤は女性解放のために、今の女性の気持ちを無視してはいけないと考えているようでした。
2人が意見を交換していると、そこに外国人の男性がやってきました。彼はアルバート・ホーナー。GHQの人間で、民法改正に携わっている人なのだとか。
「だから、さっきの文句はすべて彼の口から出たってわけ」
そう寅子に囁いた久藤は、次は謙虚さなしでディスカッションすることを望みながらホーナーと共に部屋を出て行ってしまいました。
仇と仲良くするなんて、笑えない
夜、この話をした寅子は家族に笑われてしまいます。
「トラちゃんが謙虚なんて思ったことないよ!」
子供たちも、はるも、直明もそういって笑いますが、花江だけは笑っていません。
夕食が終わり、1人で片付けをしている花江の元を訪れた寅子は、彼女にそっと尋ねます。
「どうしたの?」
「私は……とてもじゃないけど笑えないわ」
家族のために頑張っているとはいえ、直道の仇の国の人と寅子が親し気に言葉を交わしたという話を聞き、花江は複雑な心境でした。
その言葉を聞いた寅子は、少し考えたあと、「無理に笑うことはない」と花江に言います。その言葉を聞いた花江は泣き出してしまい、寅子は黙ったまま彼女の背中をさすりました。
やがて寅子は、給料が出たらおいしいものを食べに行くことを花江に提案するのでした。
笑顔の攻防戦 なぜか寅子にバトンタッチ
翌朝、久藤の言葉が頭の中を駆け巡っていた寅子は、前を見ておらず桂場に激突してしまいます。
とびきりの嫌な顔をする彼に寅子は謝罪し、採用してくれたことの感謝を述べますが、相変わらず桂場の反応は芳しくありませんでした。それどころか、見たことのない変顔まで浮かべているのです。
「君もそういう薄っぺらいことを言うのだな」「どう思われたいかは行動で示せばいいだろう」
と、そこに妙齢の男性がやってきます。
温厚そうなその男性は神保と言い、帝大の教授で桂場の恩師でもあるのだとか。
神保教授と共に職場に入る寅子でしたが、教授は久藤を見るや態度を一変させ、怒りを露にします。
「君たちは我が国の家族観……いや、この国を破滅させる気かな?」
神保の怒りの矛先は久藤に向いていました。先日久藤が送った民法の草案が、議論の内容を全く無視したものであったからです。
「家制度や戸主がなくなれば、古き良き価値観の崩壊と共にこの国にとどめを刺すことになる」
そこまで言って神保教授は寅子をふりかえりました。
「君もそう思うだろう?」
※第10週からの新たな登場人物はこちら!

発言権は寅子の手に渡る!どう答える寅子!?
「それ、私に聞きます?」はさすがに笑ってしまいました。
確かに寅子はハングリー精神がなくなったというか、なくさざるを得なかったというか……。
それを謙虚という言葉で包んで伝えるのは、久藤さんの口達者なところなのかなと感じます。
でも寅子の気持ちも理解できるのですよね。稼ぎ頭の自分が職を失う訳にはいかないという重圧は凄まじいものだと思います。
期待のルーキーに視線が投げかけられた本日のラスト。
明日の寅子は牙を取り戻せるのか? がんばれ!寅子!
ちなみに民法が短く抜粋されているWikibooksというサイトでは、今回冒頭で出た788条と812条の内容が少し異なっているようです。今では離婚についての取り決めが定められていますが、短いながらも色々と考えさせられる内容になっていました!
覚醒した寅子に色々気付かされるネットの反応
神保教授、「ご婦人がいるだけで空気が華やぐねえ」の一言でどういう人かわかった気がする