こんにちは、朝ドラみ隊です。
はるさん……史実からしてそのうちと覚悟はしていたのですが、あまりにも辛すぎます
【虎に翼】第12週4話あらすじ
はるの容態が急変した。
彼女の最後の望みは「道男に会う」こと。
「まっとうで一番優しいお母さん」への親孝行を果たすべく、寅子は道男を説得するのだった……
はるの考えに瞬時に気付いた花江ちゃん
はるが倒れたとの知らせを聞き、急いで帰宅した寅子。
お医者様によればはるは心臓の発作で、もう夜を越せるかどうか。
急すぎると言う寅子に、はる自身もあと10年は頑張るつもりだったと言います。
(はる)でもね……母さんは、愛する子供たちと、自慢のお嫁さんの花江さんと、宝物の孫たちに囲まれて……何も悔いは……
そこで言葉を区切ってしまったはる。それではまるで、まだ何か後悔があるようではないですか。
その正体に気付いたのは、花江でした。
(花江)道男くん……
ねえトラちゃんトラちゃん、道男くんを捜して……!
ハッと寅子がはるを見ると、彼女は花江の言葉に同意するように静かに頷きます。
こうして寅子は、道男を捜しに夜の街へと飛び出しました。
道男が逃げ込んだ先は轟法律相談事務
道男がいる場所に心当たりがあるとすれば、轟法律相談事務所だけ。
扉を開けた寅子は、苛立ちを隠さないよねに詰め寄ります。
口論の最中、寅子は荷物を運ぼうとしていた道男を見つけました。
しかし道男は、寅子の顔を見るなり奥の部屋に鍵をかけてしまうのでした。
道男の人生観
(寅子)お母さんが危ないの。お母さんが、道男に最後に会いたいって言ってるの!
(道男)そんなこと言うわけないだろ、ばあちゃんが。とっ捕まえて締め上げる気だろ
(寅子)そ……そんなしょうもないうそつくか! いいから一緒に来て!
しかし、道男の態度が頑なだったのにも理由があります。
(道男)分かってんだよ! 俺はどこにいても邪魔者なんだよ! ……戦争なんて始まる、ずっと前から
道男の両親は、彼に興味がない人たちでした。飲んだくれの父。父に殴られるだけの母。同じく道夫も父に殴られていました。
しかし彼の母は空襲の際、道男を置いて父を捜しに行ってしまいます。
そしてそのまま亡くなった。
(道夫)あんたら大人は、都合が悪くなると俺から逃げたり捨てたりすんだよ
これが道男の人生観でした。
最期の願いくらい、叶えてあげたい
道男は猪爪家も自分を捨てたではないかと言います。
同時に、本当は自分から逃げ出したことも分かっていました。今さらどの面下げて戻るのか。
迷う彼の心を揺さぶる言葉が響きます。
(寅子)お母さんはね、私が出会ってきた中で、一番まっとうで優しい人なの! だから今、あんたのことが気になってしょうがないの! このままじゃ最後に絶対悔いが残っちゃう……。
だからお願い。ずっとずっと心配ばかりかけてきたの!最後の願いくらい、叶えてあげたいの!
涙をうかべ、声を震わせながら訴える寅子。
その時、鍵の開く音がしました。
最期まで道男の心を溶かし続けるはる
病床に伏せるはるを見て、はじめて道男は彼女の死期が近いことを実感します。
はるの呼び声で少しずつ近づく道男。
はるは直明の手を借りて起き上がると、道男の頬を撫で、そのまま強く抱きしめました。
(はる)……これでいい
(道男)何がだよ
(はる)あなたにしてあげたかったこと…… よくここまで、一人で生きてきたね
はるは力を失ったように布団に倒れ込みます。
(道男)ばあちゃん、死ぬのかよ
(はる)……死ぬ
(道男)死ぬなよ、じゃあまた……俺1人じゃん
(はる)そこは、これから先の道男次第。すべてを突っぱねちゃ、駄目。
はるの死を目前に、大泣きの寅子
その夜。子供たちが寝静まったころ。
寅子と花江を呼び出したはるは、自分の日記を見つけるように頼みます。
(はる)机の、真ん中の引き出しにね……今年の日記が入ってます。
それに、私が死んだ後のことは大体書いてあります。それ以外の日記は……全部燃やしてちょうだい
さらに彼女は、家族の写真を持ってくるように頼みました。
在りし日の家族写真を握りしめたはるは、もう後悔はないと笑います。
(寅子)……やだっ! やだっ! 死んじゃやだ! お願い、いなくならないで!
泣き叫ぶ寅子。花江も涙をこらえることができません。
はるは猪爪家を2人に託すと宣言し、泣きじゃくる寅子の頭を静かに撫でます。
その日の夜明け、はるは静かに息を引き取りました。

戦後最も厳しい時を支え続けた女傑、猪爪はる
はるさん~~死んじゃやだぁ~~
たとえ直道の姿を重ねていたとしても、はるにとって道男はすでに自分の子だったんですね。
子供のように駄々をこねて大泣きする寅子は新鮮で、だからこそ胸を打たれるものがありました。
ドラマでは直言が亡くなってからもしばらく猪爪家を支え続けた彼女ですが、モデルとなった三淵さんのお母様は1947年1月に脳溢血(脳出血)で亡くなっています。その後同年10月に肝硬変で父を亡くし、この年は三淵さんにとって非常に辛い年であったことは想像に難くありません。
直言さんが亡くなったのは43話。1946年のことでしたから、はるさんは実に1年以上動乱の猪爪家を支えてくれていたことになります。
その最期は彼女らしい、優しく、温かで、穏やかなものでした。
今回ははるさん特集として、次ページからはるさんの活躍を中心に【虎に翼】を振り返ってみます。
かなり長くなってしまいましたが、ぜひご覧ください!