こんにちは、朝ドラみ隊です。
あ~~本当に終わってしまうのかぁ…… 終わってしまうんですね……
【虎に翼】第27週5話あらすじ
寅子が亡くなってから15年。男女共同参画社会基本法が成立する。
自分の道を見つけたものの、寅子の良いところが自分の中にないと不安に思っていた優未。
しかし、とある出来事をきっかけに、優未は自分にとっての「法」が何を意味するか気づくことになるーー
具合の悪そうな優未
(寅子)1,2,3,4,5,6,7,8…………
朝早くから最高の笑顔でラジオ体操に勤しむ寅子。
起きてきた優未はどこか元気がない様子で、写真立に向けて挨拶をします。
朝食の時間。何気なくつけていたテレビから流れる声が優未の意識を引きつけます。
(テレビ)男女共同参画社会基本法は先週衆議院本会議で可決・成立し、今日施行されます……
国民すべてが性別に関係なく、個性と能力を発揮できるよう、制定された法律の施行。
平成11年。寅子が亡くなってから、15年後の出来事でした。
猪爪家の重鎮・花江
将来を決めかねていた優未は、自宅で着付けや茶道の教室を開きつつ、雀荘経営、寄生虫研究雑誌の編集。さらには花江とひ孫の面倒を見る多忙な生活を送っています。
猪爪家に来た優未は、花江のひ孫・直哉と江美にお菓子を出していました。
(直哉)あっ! 江美の方が大きい!
(江美)そんなことない! 直哉兄ちゃんの方が大きい!
優未が「どちらも同じ」と伝えても喧嘩を辞めない子供たち。
すると突然、花江が顔を押さえて泣き始めたのです。
(花江)ひいばあば ケンカを見てると涙が出ちゃうの……
子供たちもこれにはたまらず仲直り。
花江は顔の手を優未にだけ見えるように開け、いたずらっ子のように舌を出しています。
その後は笹竹に向かい、あの頃から変わらず守られているあんこの味を楽しむ優未でした。
美雪、再登場
翌日、どこへ行くのか。優未は街を歩いています。しかしその顔は暗く、沈んだまま。
優未のそばを歩く幻の寅子も心配でおろおろしています。
(寅子)あぁ~ お母さんの面白おかしい顔でも見せてあげられたらなぁー……
そして優未が橋を渡ろうとした時。深刻そうに電話をしている女性が目に留まります。
(女性)もうどうしてなのか私が知りたいよ! なぜか分からないけど、急にクビだって……。
その横顔に寅子は見覚えがありました。
(寅子)美雪さん……?
佐田の姓を持つ者に二度救われる
(美雪)でも多分、私が駄目で、悪いんだと思う
美雪が放っておけず、優未は思わず声をかけてしまいます。
(優未)あ、あのっ……詳しくはないので、絶対はないんですけど、それ…… あなたが駄目でも、悪くもないと思います。労働基準法の第20条か何かにあるんです…………
労働基準法、第20条。内容は解雇の予告義務について。
『使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない』
(優未)とにかくあるんです、そういうのが。みんなが持っている権利なので使わないと!
そう言いながら、優未は自分の知り合いの弁護士の連絡先を手渡します。
(優未)『佐田優未』の知り合いと言ってくだされば
(美雪)…………佐田?
(優未)法律は、あなたの味方です。 ……じゃあ
それだけを残し、歩いていく優未。
その後ろでは、寅子が優しく微笑んでいました。
「おかえりなさい」
夕方、猪爪家。
優未が帰ってくると、これからどこかへ行こうとする朋一と、彼に話しかけていたであろうのどかと出くわします。
子供の迎えにいった朋一。彼が出ていくと、のどかは夕飯の支度を買って出ます。
(のどか)夕飯の支度は任せて。お父さん、お待ちかねよ。話してきてあげて
(優未)うん
静かに座っている航一のそばへ寄り、優未は声をかけます。
(優未)おかえりなさい、航一さん
(航一)……おかえりなさい、のどかさん
普段は老人ホームで暮らしている航一。
今日は子供たちに会うべく、自宅に戻ってきていたのでした。
私にとって法律は、お母さんみたいなもの
(優未)ねえ、秘密の話、聞いてくれる?
(航一)ええ
穏やかな声で返事をする航一。優未は秘密の話を始めます。
(優未)私とお母さんの生き方って全然違うじゃない? 私は私が好きだけど、お母さんのすごいところ、かっこいいところ、何も引き継げないまま人生が終わっちゃうような気もしてて……
そこで優未は言葉を区切り、先ほど橋であった出来事を思い出します。
(優未)でもさっきね、自分の中にお母さんをすごく感じたというか…… 私にとって法律って、お母さんなんだよなぁって
誰のそばにもあって、寄り添ってくれるもの。
そう認識できてから、優未はぐっと寅子を近くに感じるようになったと言います。
(優未)ごめんなさい、意味わからないよね。 ……のどか姉ちゃん手伝ってくる!
照れ笑いを浮かべ、キッチンへ向かう優未。
また一人になった航一は横へ顔を向け、小さな声で言いました。
(航一)……だそうですよ
(寅子)フッ…… なんだか照れるわね
今度こそ本当に心穏やかな余生を
航一の隣で腰かけている寅子に向け、航一は囁くように言います。
(航一)寅子さんがいなくて、とてもさみしいけれど、もう少し、こうやって彼らを見守って、この余生を楽しみたいって……自分でも驚いてしまいますが、そう思っているんですよ
(寅子)やだわ、私が法律って! ねぇ?
(航一)はて 今の僕の話、聞いてました?
(寅子)あっ…… なるほど あっ、ごめんなさい
優未の言葉が嬉しくて、完全にそのことしか頭に入らなかった寅子。
ニコニコと笑い、航一に寄り添う寅子を見て、航一は優しい声音で言いました。
(航一)その得意げで幸せそうな顔、懐かしいな。 ……ほら、あの時だよ
桂場の本音。寅子の変化
(桂場)私は今でもご婦人が法律を学ぶことも、職にすることも反対だ
それは、寅子の昇進祝いの場でのこと。
和やかな席に桂場が放った一言は、その場の空気を一変させます。
(桂場)法を知れば知るほど、ご婦人たちはこの社会が不平等で いびつで おかしいことに傷つき苦しむ。そんな社会に異を唱えて何か動いたとしても、社会は動かないし、変わらん
(寅子)でも、今変わらなくても、その声がいつか何かを変えるかもしれない
その言葉は、かつて穂高先生が寅子にかけたものとよく似ていました。
桂場は小さく笑い、言葉を返します。
(桂場)……君はあれだけ、石を穿つことの出来ない雨垂れは嫌だと腹を立ててきただろ
(寅子)未来の人たちのために自ら雨垂れを選ぶことは苦ではありません。むしろ至極光栄です
寅子が歩んできた道は地獄の道。
そして未来の人のため、雨垂れになる覚悟を決めるのも、また地獄の道。
そのようなもの好きは寅子くらいだと桂場は苦笑します。その言葉に声をあげたのは、よねでした。
(よね)いや……。 ほんの僅かだろうが、確かにここにいる
(桂場)……フフ、失敬。撤回する。君のようなご婦人が特別だった時代は、もう終わったんだな
地獄の道は、どうでしたか?
満足げに団子を口元へ運ぶ桂場。
しかし団子が口に辿り着く前に、寅子は自分の考えを話し始めます。
(寅子)はて? いつだって私のような女はごまんといますよ。ただ時代がそれを許さず、特別にしただけです
そう言い切り、桂場の額についていた桜をとった寅子。彼女は満面の笑みで元居た席へと戻ります。
そして、その直後。
(はる)どう? 地獄の道は
誰もいない笹竹で、寅子に問いかけるはる。
(寅子)最高! です!
幻から目が覚めた寅子は、その場にいた皆に問いかけます。
(寅子)ねえ、皆さんにとって法とは何かしら?
(よね)法は法だ
(轟)約束だと思うなぁ。人らしくあるための
(よね)誰もお前に聞いてない
一気ににぎやかになる同窓たちの席。
その隣で、桂場は久しぶりの団子を幸せそうに味わっているのでした。

桂場さんは最初から変わっていなかった!
【虎に翼】最後の考察は桂場さんの本心について。
今回ようやく全体が明かされた「ご婦人が法を生業にすることは反対」発言。
詳細は以下のようなものでしたね。
私は今でもご婦人が法律を学ぶことも、職にすることも反対だ
法を知れば知るほど、ご婦人たちはこの社会が不平等で いびつで おかしいことに傷つき苦しむ。
そんな社会に異を唱えて何か動いたとしても、社会は動かないし、変わらん
思うに、桂場さんは最初からこのスタンスを崩していなかったのではないでしょうか。
桂場さんは法の番人であることに誇りを持っています。
きっと誰よりも、混じりけのない心で法と向き合ってきたはず。そんな人が、特に旧憲法時代の不平等に気づかないなんてことがあるでしょうか。
しかし彼は「法の番人」。
穂高先生のように改革を目指しているわけではなく、尊属殺人の件も「法律の重要性」を鑑みて、今は時期尚早だと言っていました。法を変えたいというスタンスではなかった可能性もあります。
そんな彼ですが、不器用だけど、真面目で心優しいのも事実。
桂場等一郎として何ができるか。それを考えた時の答えが、「女性は法律家に向いていない」と伝える事だったのではないでしょうか。
そうすれば、少なくとも女性が傷つくことはないから。
そうやって考えれば、彼らしい結論だったと言えるのではないでしょうか。
しかし時代は変わった。
それを実感したあの団子の味は、想像もできないほど美味しかったに違いありません。
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ネットの反応
最後の最後まで「さよーなら、またいつか!」という曲の素晴らしさを感じてる。 虎に翼と共に、この曲はずっとわたしのお守りみたいになると思う。