こんにちは、朝ドラみ隊です。
【虎に翼】第24週3話あらすじ
「今」を生きる被害者は、誰に助けを求めればいいのか
原爆裁判の証人尋問も終わるころ、汐見は寅子と漆間に尋ねます。
(汐見)私から補充尋問はありません。何か補充で聞いておきたいことはありますか?
声をあげたのは寅子でした。
(寅子)鑑定人は、米国にも国にも賠償責任を求められない場合、「今」苦しんでいる被爆者は、どこに助けを求めればいいとお考えですか?
(嘉納)……法学者としてお答えできることはありません
(寅子)……以上です
苦労人・反町、嘉納
法廷も終了し、机の書類を片付けている反町。その後ろには嘉納もいます。
(嘉納)被爆者の方々には同情するが、賠償権が存在するとは到底言い難い。……政府による別の救済方法を考えるべきだと思うがね
(反町)この法廷で争われている点はそこではありません。
反町は、同情で揺らがされることなく、『法は法として』扱わなければならないと嘉納に言います。
その言葉を聞いた後、嘉納は手元を見つめながら呟きました。
(嘉納)お互い、結構なものを背負わされているね
世間の関心を集めた竹中の記事
それから数日後、竹中が執筆した原爆裁判の記事が週刊誌に掲載されることとなりました。
法廷には多くの傍聴人が押し掛け、その中には竹中以外の記者も多く見受けられます。
竹中渾身のルポルタージュは、雲野先生の願い通り、世間の関心を集めてみせたのです。
夜。寅子も記事を読みながら、必死で思考を巡らせていました。
(航一)寅子さん。……その記事、僕も読みました
航一は寅子の隣に腰かけ、身を乗り出して、優しく言います。
(航一)胸の内にためているもの。裁判官ではなく、『夫』の僕に少し分けてくれないかな
寅子がその言葉に答えを返している最中の出来事でした。
(百合)大変! 大変よ! 誰か!
深夜に起きた、百合の財布消失騒動
(寅子)お義母さん、どうなさったんですか!?
(百合)どうしましょう、お財布がないのよ! お財布がないの!
百合の叫び声で目が覚めたのか、のどかも1階にやってきました。
おろおろと百合が伸ばす手を、のどかは軽く握ります。
(航一)百合さん、座っていてください
(寅子)座っててください、探しますから。ねっ?
家族総出で探した百合の財布。
夜遅くまで探したものの、結局財布は棚の奥にあったのでした。
未だに存在する、司法に上から圧力をかけようとする者たち
翌日、竹もとで書類に目を通している寅子。
奥の席では、桂場が梅子さんの団子の味見をしています。
寅子があくびのために顔を上げると、同じタイミングであくびをしている桂場と目が合いました。
(桂場)………………昨日、来客があってな
(寅子)はて?
(桂場)直接は言わないが、言外に、たっぷりとにおわせてきた。『速やかに裁判を終わらせろ』と。
ふざけやがって。そう愚痴をこぼす桂場に、寅子は自分の悩みを打ち明けます。
(寅子)このところ、考えてしまうんです。法を司る自分の無力さ……限界を
(桂場)……司法に何ができるのか。そのことだけ考えろ
その言葉の意味を考えているうち、寅子は疲労からか眠りに落ちていました。
嫌なことでも、一緒に笑ってくれる梅子さん
(梅子)トラちゃん?
その声で目を覚ました寅子。周囲に誰もいないところを見るに、相当な時間眠っていたようです。
(寅子)やだ、ごめんなさい!
(梅子)お疲れね?
(寅子)お義母さんの財布がなくなってしまって、遅くまで捜していたんです
ことの一部始終を聞いた梅子は、百合の認知症が進んでいることを理解します。
寅子も仕方ないことだと分かってはいるものの、疲労は溜まっていく一方。
懐から扇子を取り出し、ぱたぱたとあおぎ始めます。
その行動に梅子は心当たりがある様子。
(梅子)トラちゃん、まさかあなた……
(寅子)ええ。なんだか更年期でして
寅子の言葉を聞き、梅子はパッと表情を明るくします。
(梅子)トラちゃん、こちら側へようこそ!
2人は互いに笑いあうのでした。
被害者として、国や好奇の目と戦うことを決めた原告・吉田ミキ
一方、山田轟法律相談事務所。
誰かと電話していた岩居が、喜びの声をあげています。
(岩居)法廷に立ってくれるそうだ! 原告の吉田ミキさんが!
世間の関心も高まっているところに、原告が法廷に立つ。
当初からは考えられない状況に、岩居の興奮は高まります。ところが、轟は複雑そうな顔でした。
(轟)ほかの原告4人には断られたじゃないですか。彼女だけが矢面に立てば……
好奇の目に晒されるリスク。賠償で得られる金銭は、リスクを受け入れる価値がある量なのか。
原告のことを心配する轟に、よねは静かに言います。
(よね)どの地獄で、何と戦いたいのか。……決めるのは彼女だ
アンガーマネジメントの使い手・優未
翌年、昭和36年12月。
当事者尋問が終わり、寅子が今まで以上に書類と向き合っているある日の朝。
(吉本)あら、ちょっと、百合さん駄目!
(優未)何、どうしたの?
(吉本)百合さんがね、お夕飯用に作ったシチューが腐ってるって……
(百合)だって、腐っているじゃない
シンクにシチューを流し終えた百合は、そのままどこかへ立ち去ってしまいます。
吉本も百合を追いかけ、1人キッチンに残された優未。
(優未)……落ち着け…………深呼吸……
優未が深く息を吸うと、何やらたばこの香りが漂っていることに気が付きました。
(優未)……何してるの?
のどかと百合の確執
キッチンの窓に面した玄関前の階段に、のどかが座っていました。
(のどか)何か取り込み中だったみたいだから……
(優未)だから助けに来なかったの?
のどかに対し、怒りを抑えきれない優未。するとそこへ百合がやってきます。
(百合)のどかさんはいいんです! 立派な大学を出て、毎日銀行にお勤めして、自慢の孫だわ
今は亡き星長官も、照子も。のどかの姿を見て喜んでいるに違いない。
子供を甘やかすかのように、百合はのどかの頭をくしゃくしゃと撫でます。
のどかはそれを止めさせ、百合の目を見て言うのです。
(のどか)2人が生きていたら「美大はやめておきなさい」なんて言わなかったよ。……こうして望み通りに進んでるんだから、これ以上私に求めないでほしい

百合さんの病状悪化から見えてくる、星家の過去
百合さんの記憶が剥がれ落ちていくたびに、優未ちゃんがショックを受けていて心配です。
今回の件で見えてきたことが2つ、あります。
1つ目は、のどかさんは元々美大進学を希望していたこと。そしてそれを誰かに反対されたこと。
この件は、朋一とのどかの違いにそのまま表れているのではないでしょうか。
当初、どこか達観した様子だったのどかさん。その裏には「自分の志望校を諦めた」経験が根付いているのかもしれません。
当時の航一さんがのどかさんの進路に意見を出していたとは考えにくいので、反対したとすすれば百合さんでしょうか。百合さんはのどかさんの安定した将来を考え、進学先を勧めたけれど、のどかさんはそれが嫌だった……というのはなんとも苦しいお話です。
そしてもう1つが、百合さんの中での優先度。
優未のことを新たな孫として可愛がってくれていた百合さんですが、最近はのどかを優先している様子が見受けられます。
過ごしてきた時間が長いため、仕方のないことだとも思いますが、第2のおばあちゃんだと思って懐いていた優未ちゃんにはあまりにも辛いことだと思います。
優未ちゃんとのどかの心境は、厳密には違うと思いますが、ヤングケアラーの方々の苦しみに近いものがあるのではないでしょうか。
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優未ちゃんものどかも、色々なことに気が付く優しい子です。
彼女たちが限界を迎える前に、状況が改善することを願っています。
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ネットの反応
百合さんが最近「優未ちゃん」て言わないんだよ 注意されたり褒められたりするのはのどかばかり 百合さんの中に、優未はいる……?