こんにちは、朝ドラみ隊です。
ようやく長い雨が明けて、希望の光が見えてきたような気がします。
【虎に翼】第9週4話あらすじ
いつものようにマッチの仕事をこなす寅子、直明、重田さんの3人。黙々と作業する中で、ふと直明が口を開いた。
「僕、他に仕事を探すよ」
重田さんの知り合いも辿りながら、直明はさらに実入りのいい仕事を探しているそうだ。子供たち3人もすぐにお金がかかるようになる。その時までに、一家の大黒柱と言える存在にならなければならないと直明は考えていた。しかし、明確なビジョンを持つ一方で、若くして大黒柱になるという将来は、彼がかつて思い描いていたものとは違う。
「本当は大人になってからのつもりだった。……思ったようにいかないね」
その言葉を聞き、寅子は小さい頃の直明を思い出す。本が好きで、勉強もよくできた。帝大に入学して、役人になって、それから彼はどうしたかったのだろうか。
そんな時、寅子の元に1人の男性が訪れた。軍服を着た彼は、自ら名乗り出た寅子に対し、そっと虎のお守りを見せるのだった。
聖人佐田優三
男性はとつとつと優三との関係を話し始める。彼と優三は、病院のベッドが隣にあった、ただそれだけの関係。しかし彼の体調が悪化したある日、優三が「これは凄いお守りだ」と言って、虎のお守りを握らせてくれたのだと言う。その後彼の体調は回復したが、優三は死んだ。彼はずっと、お守りの力を自分が吸い取ってしまったと思って後悔している。
「ほんの短い間でしたが、とても優しいいい男でした」
男性の言葉に静かに頭を下げる寅子。しかしその反応は非常に淡々としたものだった。
寅子、再起
ある日、はるが寅子に大金を握らせてきた。直言のカメラを売って作ったこの金で、明日1日自分のためだけに贅沢をしてきなさいと言うのだ。そんなことはできないとお金を変えそうとする寅子だったが、はるは決してお金を受け取らない。
「贅沢じゃない。私も花江ちゃんもどうしようもなくなったとき、内緒で思いっきり贅沢しました」
「これ以上心が折れる前に立ち止まって、優三さんの死と向き合いなさい」
そして翌日、寅子はお金を持って渋々街へ繰り出した。
とりあえず露店で焼き鳥とお酒を頼むも、どうにも喉を通らない。代金だけ置いてその場を立ち去った寅子を、店の女主人が追いかけてくる。
「もったいないから持ってお帰り」
寅子の憔悴っぷりは初めて会った店主にも見抜かれたようで、寅子は彼女に「しっかりするんだよ」と肩を叩かれた。そうして次に寅子が向かったのはいつもの河原だ。新聞紙に包まれた焼き鳥を見た寅子は、ここで初めて涙を流す。
「分け合って食べるって言ったじゃない。必ず帰ってくるって言ったじゃない」
涙をぽろぽろこぼしながら焼き鳥を食べる寅子の目に、ある記事が留まる。
『日本国憲法 第14条』
全ての人が平等であることを示したその文を見て、寅子は優三の言葉を思い出す。
「とらちゃんができるのは、とらちゃんの好きに生きること。後悔せず、人生をやりきってくれること。それが僕の望みです」
ずっと考えないようにしていたことだったのに、一度思い出してしまえばその光景は脳に焼き付いて離れない。堪えても堪えても涙は溢れた。そうして長い時間泣いた彼女は、やがて静かに顔を持ち上げる。涙の痕がほんのり残るその顔には、決意が宿っていた。

優しいと書いて優三。最後まで優しさを貫いた
優三さん聖人すぎますね。お守りを返しに来た男性の後悔は相当なものだったことは容易に想像できてしまうのがまた辛い。寅子の家に来るのにも相当な覚悟が必要だったことでしょう。
お守りが帰ってきて尚立ち直れない寅子を見て、贅沢してきなさいと言ったはるさんの強いこと。多分花江ちゃんにも同じことを言ってお金を渡したんだろうな……
そしてようやく1話冒頭に時間が戻ってきました。飲み屋の店主が何気なく包んだ新聞が、寅子の望んでいた夜が訪れたことを知らせてくれたわけですね。こんなところでも高淑さんの言葉が当たってしまうとは……。寅子はそういう星の元に生まれているのでしょうか。
恐らく明日、寅子は桂場さんの元を訪れて、また地獄へと身を投じるのではないかと思います。叶うなら、共に法曹の道を志した皆の生存を、少しでいいので描いてほしいと思っています。
再び歩き出した寅子を応援するネットの反応
感情を失ってた寅ちゃんがやっと涙を流した。泣きながら食事を食べたことがある人は強いよ