クロップ、南野にパス出さない仲間に怒る。 チェルシー戦の南野をユニークレビュー。

サッカーピックス リバプール
https://store.liverpoolfc.com/ )より

FAカップ5回戦、フィルミーノの代役を任された南野

2020年3月3日、スタンフォード・ブリッジでのFAカップ5回戦。いつもならそうでもないメンバーでこのFAカップを挑むリバプールは3トップにマネ、オリギ、南野。CBにファン・ダイクを起用するほんのり本気気味の陣容。3トップにウィリアン、ジルー、ペドロを起用するチェルシーのほうが少し本気度は高いぞという感じ。ただ18歳の「スコットランドの神童」ことビリー・ギルモアがハーフで起用され、現地映像ではしばし抜かれる。

ここまでノーゴールと結果の出ていない南野は予想通り焦り意味な動き。DFのギャップをついて再三飛び込むも、とにかくボールが回ってこない。前半2分、南野はさっそく決定的なラストパスを要求してボールをオリギに預けるも単独突破を敢行。その後も南野は無理めなファーへのクロスを選択され早くも決定機を2度逃す。繰り返し言うが2分で2度の決定機である。9分には南野の完璧なスルーパスからマネが狙うもにべもない突破でクリアを許す。マネはあからさまに息抜きモード。コンディション不良だったらここに出てくるわけがないし。

 

スタンフォードブリッジから気の早い凱歌。

オリギがひっかけたボールをいちいちサイドチェンジされペドロが気持ちよさそうにプレーする。こりゃ苦しいなと思ったら現地映像すら気づかないうちにゴールイン。軽率なゴール前で回しからのトラップミスからウィリアンに失点を許す。1-0。スタンフォードブリッジは「今日のリバプールはよええな」と余裕のチャントを歌い出す。

その後もあずけたボールをいちいち返してもらえない南野だったが19分にビッグチャンス。クリアミスがPA内絶好の位置にこぼれてくる。ワントラップして…シュートに持っていけない。むむむ……。23分、足元へのパスから思い切って単独突破……無理目なタイミングだったがほぼ突破。ドイツ代表DFリュディガーを焦らせる。やはり足元に入れば仕事はできる。前半終了間際、南野からのパスをマネが珍しくリターン。少なくともオリギよりは南野とうまくやっていくつもりがありそう。可能性を感じさせるワンツーからのスリーで前半終了。それなりにグッド。

南野、クロップから特権を与えられる。

後半開始。リズムの出てきた南野。前半ほど露骨にアピールしなくてもボールが出てくる雰囲気がある。しかし無理めにチャレンジしたとき結果がよくない。どうにもあせったように見えてしまう。ここらへんはゴールが解決してくれるだろうが、ゴールでしか解決できないかもしれない。63分、不用意なボールロストをついたバークリーが中央を一気に切り裂いて50m級のカウンターを成功させる。やり切ってゲット。リバプールはまたも不用意な失点を許す。このあたりはカップ戦だからなのか、どうなのか? 68分フィルミーノin。南野と交代と思ったら違った! 南野は聖クロップに許された? オリギがout。

ミルナーも入って試合は一気に引き締まる。79分サラーも投入されていよいよ役者は揃う。南野はフィルミーノ、マネ、サラーの後ろで1トップ下を任される。84分、南野は意を決してPAすぐ外でチャレンジ。これが実らない。チェルシーはカウンターに最新の注意を払い、じりじりとリバプールを追い詰めていく。ボールは南野の頭の上を追い越し続ける展開となり、そのままクローズド。南野はコンディションの良さ、献身性、テクニック、突破力など見せるべきものは見せたが悔しい0点に終わる。

試合後クロップは南野をかばうコメントをのこす。いわくパスが来ない、ニコ・ウィリアムスが見ていない……。いい試合はしている。時間はあるといえばあるし、ないといえばない。とにかく求められるのはクラッキとしての証。いつ証明するか? 与えられうるFAカップの幕は閉じた。南野の旅はまだ続く。

 

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